海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜
触れるようなキスをして、すぐに離れた凪砂は、私の額のケガを気にかけて居るみたいで、そっとガーゼに触れて複雑な表情を浮かべる。
──…って、
そんなことは今、どうでもよくてっ!!
「え・・・なにっ?!どういうことっ・・・ちょっと待って、全然意味わかんないよ凪砂。何言ってんのっ!?辞めるって何?凪砂は凪砂でしょ?改名するのっ?!ってか、私たち別れたよねっ?私のこういう、うるさいところが嫌だから別れるって凪砂がっ、、」
「あぁ〜・・・お前ちょっと一回黙って」
突然のキスに感情が爆発して、止まらない私の喋りを、凪砂は一言でシャットアウトすると、今度は私のことをギュッと抱きしめてくれた。
「このまま聞け。俺がいいって言うまで、何も喋るな。いいな?」
凪砂に抱きしめて貰えたことが幸せすぎて…大人しく腕の中で首を縦に振る。
「まず、お前の誕生日に言った別れの理由・・・あれは全部嘘だ。萩花を嫌なんて思ったことは一度もない。むしろ…いつも明るいお前に俺は救われてた。」
衝撃の事実に、思わす口を挟みそうになるが黙って堪える。
「─…実は、お前と別れる二ヶ月くらい前に同期の奴が死んでー・・・」
それから凪砂に聞かされた話しは、正直怖くて・・・途中耳を塞ぎたくなるような内容だった。
仲間を失った話し、その人の奥さんの話し、それから・・・凪砂が入院していたということを聞いて、当時の自分を殴ってやりたくなった。
その事が原因で私とこれから先、一緒にいる自信を失い、あんな風に別れを告げたという衝撃の事実を聞かされ、私は何も知らずに勝手に凪砂のことを責めていたということを知った。