たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
それにしても。
(捜索隊の躊躇ない円滑な出動を当たり前のように思っているなんて……)
どこぞのお嬢様かもしれない。
早く返すに越したことはないと強く危機感を抱いた。
平穏な生活を脅かされるのは誰であっても許されない。
「帰るなら5分で帰る方法もあるけど,どうする?」
「そんなのがあるの?! お願い!! せっかくの誕生日に遅れちゃう~!!!」
私は静かにほくそ笑んで,食べ終えたまま焦る彼女を,畑など全てが集まる家の裏に案内した。
「はい,乗って。意識飛ばしたり,大丈夫だと思うけど途中で弾けとばされたりしても自分で何とかしてね」
「わ,分かった,けど。……これ,なに?」
「私手製のジェットトロッコ。手元が狂うかもしれないけど,途中まではお尻に着いてる燃焼材も補充し続けてあげるわ」