双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
「だろうな。俺も近くなら毎日来る」

 さりげなく言った毎日という言葉に反応し、トクンと心臓が跳ねた。

 彼は目を細めてにっこりと微笑むが、今回ばかりは本当のお世辞に違いない。動揺を悟られないよう、あははと笑ってごまかす。

「たくさん褒めてくれたお礼に。はい、サービスです」

 私がこっそり食べていたチョコレートを出してあげると彼は「サンキュー」と一粒手に取り、そのまま口に放り込んだ。

「お待たせしました」

 晴美さんが先ほどのグラスを入れた紙袋を持ってきた。

「ありがとう。じゃあこれで」

 飛び込みで高級品のグラスを買う客らしく、彼はブラックのクレジットカードを晴美さんに渡す。

「贈り物 ですか?」と、聞いてみた。

「いや、自分で使わせてもらうよ。グラスを眺めながらワインを飲むのもいいかな、と思ってね」

 ということは、彼は急ぐ用でもないのにわざわざ雨の中来てくれたんだ。

< 139 / 292 >

この作品をシェア

pagetop