双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~
「この前はどうしてサッサと帰ったの? 気づけばいないし」

 それはもちろん、あなたから逃げるためですよ、とは言えない。

「ちょっと酔っちゃったから」

 目を細めてニッコリと、作り笑顔を向ける。

「航輝さんは遅くまでいたんですか?」

「うん。久しぶりに会えた友人もいたからね。女性はみんな先に帰ったが、男はほとんど明け方までいたよ」

「うわー、元気だなぁ」

 学生時代ならいざ知らず、明け方までなんて、ちょっと考えられない。

「朝までなんて何年ぶりかだ」

 それはそうでしょう。パイロットは健康第一だもの。アルコールは控えたとしても、明け方までなんて相当珍しいはず。

「あんなふうにみんなが集まれる機会はそうそうないからね」

「楽しかったんですね」

「うん。いい気分転換になった。君もいればもっと楽しかったんだけど」

 えっ……。またお世辞? 軽口を叩くような人じゃないのに、今日はどうしたんだろう。

< 141 / 292 >

この作品をシェア

pagetop