悪女は今日、初恋を知る。
家は一戸建てで広くて、わたしからしたら豪邸で住まわせてもらっていること自体が夢みたいなのに、
朝起きたら、一緒に歯磨きをして、
見つめ合って朝ご飯、
昼のお弁当は手作りで屋上でこっそり食べて、
午後の授業中、コソコソ声で「悪女別れろ」とか聞こえてきても、
『今日は何食べたい?』って皇くんからメールが届いて、
隣のクラスも今、授業中だよね? コソッと送ってきてくれたのかな? って、
一瞬で嬉しくて幸せな気持ちでいっぱいになったり、
夜もわたしの好きな甘いパスタ作ってくれて、
寝る時は別々で、部屋は隣同士だけど、
一人で寝れない時は、わたしの部屋に来て、ベット近くの椅子に座って一緒に寝てくれる。
だけど、このままじゃ嫌われて捨てられてしまう。
甘やかされてばかりではいられない。
「皇くん、今日の夜はわたしに晩ご飯作らせて」