契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
特別かもしれないけれど、それは契約結婚の相手だからということ。仮にも妻にはなるからだ。そこに特別な感情があってとかではない。
それなのに、私はひとりで意識してしまっている。
そんな様子の私を蓮斗さんはくすっと笑い、また「うん、美味いよ」とチョコレートプリンに取りかかる。
なんと言ったらいいのかわからなくて、「ありがとうございます」と感謝の気持ちを口にした。
それから少しの間会話は途切れ、淹れたての紅茶を楽しむ。ダージリンの芳醇な甘みを楽しみながら、話そうと思っていたことを切り出すなら今がチャンスだと口を開いた。
「蓮斗さん、あの、昨日電話で少し話したことなんですけど」
ティーカップに口をつけていた蓮斗さんはソーサーにカップを戻す。「どうした?」と私に視線を寄越した。
「我が家の、負債を完済していただいた件です」
「ああ、確かに話の途中だったな」
蓮斗さんは〝それがどうかしたか?〟といった調子で私を見つめる。
伝えようと頭の中で考えてきたことを整理し、気持ちを落ち着かせて口を開いた。
「昨日、言ってくださったことはすごく嬉しかったです。でも、やっぱり私がきちんと返済したいです」
姉から話を聞いた後、ずっと考えていた。
でも、何度考えても、どう考えても、私の返事はただひとつ、変わることはない。