契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
お義母様がこんなところにまでわざわざ出向いて私に話があるとは、いったいなんの話だろう。
この間の食事会以来会うこともなく、心の準備もなしにこうして顔を合わせたこと自体にも緊張している。
私の返事を聞いたお義母様は、「ついてきて」と出口に向かってすたすたと歩き始める。いったいどこに行くのだろうかと思っているうち、タワー前に停車しているぴかぴかの白い高級車へと近づいていく。
お義母様が近づいていくと運転手が降車してきて、後部座席のドアを開けて待機した。
「うちのホテルに向かうわ」
「あ、はい」
目的地は『HOTEL TACHIBANA』らしく、車はすぐにTACHIBANAに向かって走り出す。
タワーからほど近い『HOTEL TACHIBANA』の敷地内に入っていった車は、エントランス前の車寄せまで一気に進んでいった。
ホテル前に待機するスタッフが後部座席のドアを開け、お義母様に続いて降車する。
お義母様は振り返ることなく慣れた足取りでホテル内へと入り、私は訳も変わらずその後を追いかけた。
お義母様が向かったのは、ホテル三階の関係者専用通路の先。通りがかる部屋には会議室や重役の専用室などもあり、自然と身が引き締まる。
お義母様が足を止めたのは、ドアの横に大きな観葉植物の木が置かれた部屋の前だった。
「どうぞ」
ドアを開け中に入り、私の入室を求める。