契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
「失礼します」
部屋の中はクリーム色を基調としたインテリアで、高そうな調度品が並んでいる。絨毯や奥の窓にかかるカーテンは花柄で、華やかな印象も与える。
「座って」
部屋の中を観察してしまっていた私に、お義母様はソファを勧めてくる。
「失礼します」
ソファへと腰を下ろすと、お義母様は私のはす向かいの一人掛けソファにかけた。
「今日は、あなたに大事な話があってここまで来てもらったわ」
今からいったいどんな話を切り出されるのだろうか。本題を前にして、心拍は徐々に上がっていく。「はい」と返事をして、じっとお義母様の顔を見つめた。
「あの後、あなたのことを調べさせてもらったの。橘家に相応しい女性なのかどうか」
どきっと、ひと際大きく鼓動が跳ね上がる。
「……こう言われたら、ご自身で意味がわかるわね?」
イエスともノーとも返事ができない。ただ広がる困惑に言葉が出てこないのだ。
「回りくどいことは言わずに、単刀直入に言わせてもらうわね。蓮斗と離婚してちょうだい」
ここにくるまで、もしかしたら結婚のこと、蓮斗さんとのことで呼び出されたのかもしれないと、その可能性が高いとは考えていた。
橘家に相応しい人間なのか──それを調べたとすれば、間違いなく私は相応しくない。