契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
「ご実家が負債を抱えていたこともわかっているわ。蓮斗がそれを返済したことも」
「その件ですが、蓮斗さんに返済いただいていたことは確かです。でも、きちんと完済させてもらいたいという話はさせてもらっています」
私の話を、お義母様は表情を変えることなくじっと聞いている。
そして、ため息のような息をひとつついた。
「あなたたちがどんな話をしたかなんていうのは、どうだっていいの。私は、あなたの家柄では、うちの橘を背負う蓮斗のパートナーとしては迎えられないと、そういう話をしているのよ。ここまで親切丁寧に言ってもわからないかしら?」
「いえ……よく、わかります」
胸が締め付けられて息苦しさを感じる。
お義母様は容赦ない冷たい視線で私を睨みつけ続ける。
「わかるわよね」
そんなタイミングで部屋の入り口がノックされる。
「失礼します」とお義母様の秘書と思わしき男性がドアを開け、そこに見知らぬ女性が姿を見せた。
「来たのね、いらっしゃい」
お義母様の表情に笑顔が覗く。
私と同じ歳くらいの女性は、肩下までの艶のあるセミロングヘアをハーフアップにし、ホワイトのワンピーススーツを身に着けている。
清楚で落ち着いた雰囲気が作られたものでないことは見ただけでわかる。きっと、どこかのご令嬢なのだろう。