魔女さんとナイト
「色々とご苦労されているんですね」

 窓ガラスを片付ける私に、旅人は真面目な顔で言った。

「それは、魔法では片付けられませんか?」
「今は無理です。力が足りていませんから」

 言ってから、しまった、と思った。
 自分から魔女だと認めてしまった。わずかでもあったかも知れないしらを切り通せる可能性が、これで完全に無くなった。

「オレを助けたから?」

 沈黙は肯定の証にしかならない。
 もうどうしようもない。

「……やっぱり手伝わせてください」

 彼は私から箒を奪い取るようにして掃除を始めた。もうされるがままだ。

「あれは村の人ですか? どうしてあなたがこんな目に?」

「そんなの……あの人たちが言っていた通りです」

 私が化け物だからだ。
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