乞い果てて君と ~愛は、つらぬく主義につき。Ⅲ~
仁兄は強くて当たり前で、頼って当たり前で、いつでも冷静で、勝手に鉄人みたいに思ってた。でももしかしたらその強さは、大事なものと引き換えだったのかもしれないって、今さら気付いた。
仁兄の幸せがほんとはなんなのか、深く考えてもなかった自分に気付いた。哲っちゃんのことも、お父さんやおじいちゃんのことも、あたしは何をわかってたの?胸の奥がもっとぎゅっとした。
「ようミヤコ、賑やかにやってるじゃねぇか」
すぐにマフィアさながらのオーラをまとったシノブさんが姿を見せたのを、お腹の底でひもを結び直し笑顔で迎えた。
「土産はこいつで勘弁しろや。三の組の跡目の臼井陽人だ、頼むぜ」
不敵に隣りを顎でしゃくる。三の組の・・・って、え。・・・え?
「継いでないって。渉さんの身代わりで連れてこられただけだから、気にしなくていーから」
真の言ってたおツレさまは、ストライプのネクタイに細身の黒スーツ姿であたしに向かってほんのり笑んだ。
後ろに流して綺麗になでつけたアッシュブラウンの髪。歳は仁兄と同じくらいか上・・・?夜の街でそつなく遊んでそーな、一ツ橋のイケメン率に感動しながらつい見とれて、我に返った。
前に、そのときが来たら挨拶させるって相澤さん言ってなかった?
えぇと。三の組は謎だらけでちょっとこう、神秘のベールを少しずつはがしてく的なのを想像してたんだけどぉ、案外あっさり??
「はじめまして宮子です。あの・・・、相澤さんにはいつも気にかけてもらってて、藤さんにもすごくお世話になってます」
仁兄の幸せがほんとはなんなのか、深く考えてもなかった自分に気付いた。哲っちゃんのことも、お父さんやおじいちゃんのことも、あたしは何をわかってたの?胸の奥がもっとぎゅっとした。
「ようミヤコ、賑やかにやってるじゃねぇか」
すぐにマフィアさながらのオーラをまとったシノブさんが姿を見せたのを、お腹の底でひもを結び直し笑顔で迎えた。
「土産はこいつで勘弁しろや。三の組の跡目の臼井陽人だ、頼むぜ」
不敵に隣りを顎でしゃくる。三の組の・・・って、え。・・・え?
「継いでないって。渉さんの身代わりで連れてこられただけだから、気にしなくていーから」
真の言ってたおツレさまは、ストライプのネクタイに細身の黒スーツ姿であたしに向かってほんのり笑んだ。
後ろに流して綺麗になでつけたアッシュブラウンの髪。歳は仁兄と同じくらいか上・・・?夜の街でそつなく遊んでそーな、一ツ橋のイケメン率に感動しながらつい見とれて、我に返った。
前に、そのときが来たら挨拶させるって相澤さん言ってなかった?
えぇと。三の組は謎だらけでちょっとこう、神秘のベールを少しずつはがしてく的なのを想像してたんだけどぉ、案外あっさり??
「はじめまして宮子です。あの・・・、相澤さんにはいつも気にかけてもらってて、藤さんにもすごくお世話になってます」