【完結】寵姫と氷の陛下の秘め事。
 ◆◆◆

 それから、レアルテキ王国では様々なことがあった。

 魔物が近くに現れたときは、エルヴィスに出陣の要請がきたし、魔物に怯える人々を元気づけるために、アナベルは剣舞を披露した。

 昔住んでいた頃とは打って変わって、人口が増えた。村から町へ、そして街へと――……

 クレマンたちの協力もあり、街は徐々に人々に知られ、移住する人たちも増えてきた。

「……寵姫(ちょうき)の制度を廃止するとは、思わなかったわぁ」
「ダヴィドは惚れたら一途らしい。正妻になった女性は大変そうだ」

 くつくつと喉を鳴らして笑うエルヴィスに、アナベルも微笑む。ゆっくりと労わるようにお腹を撫でる。

「あ、動いた」
「本当か?」

 嬉しそうに聞いてくるエルヴィスに、アナベルはうなずく。

 愛おしそうにアナベルのお腹を撫でて、エルヴィスは幸せそうに表情を(ほころ)ばせた。

「会える日が楽しみね」
「そうだな」

 レアルテキ王国の最後の寵姫となったアナベル。

 自ら王位を降りたエルヴィス。

 二人は愛を積み重ねて、国が落ち着いたところで結婚をした。

 そして今、アナベルのお腹に、一つの命が宿っている。

 二人はその命と出会えることを、今、一番の楽しみにしていた。

 そっとアナベルの頬にキスをするエルヴィスに、アナベルはくすぐったそうに笑う。

 ――こんな穏やかな日々が、これからも続きますように――……

 アナベルはそう願い、エルヴィスの頬にキスをした。



―Fin―
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