恋の微熱に溺れて…
*
いきなり連絡もなしに来てしまった…。
嫌がられたらどうしよう。ちゃんと連絡しておけばよかった。何も考えずにここまで来るとは思わなかった。
でももう来てしまったので、ここで黙って帰るわけにはいかない。勇気を出して、インターフォンを押した。
“ピンポーン”…というよく聞き慣れたチャイムの音が鳴った。すると、すぐにインターフォン越しに慧くんの声が聞こえた。
『はい…』
「私です。京香です…」
驚いたと思う。今日は友達と予定があると断ったのに、サプライズでお家に訪れたから。
『京香さん。来てくれたんですね。今、開けますので、少しだけ待っててください』
そう言ってすぐに玄関の扉を開けてくれた。扉が開いた瞬間、私はすぐに慧くんに抱きついた。
「京香…さん……?!」
慧くんは驚いていた。出会い頭に急に抱きつかれたら、誰しも驚きを隠せないのは当然だ。
「友達と遊んでたんだけど、友達にも彼氏がいてさ。二人で彼氏について話してたら、慧くんに会いたくなっちゃって。それで突然だけど会いに来たの」
一言連絡をしてから来ればいいのに、連絡もせずに来てしまったので、非常識だと思われたかもしれない。
そんな常識を忘れてしまうくらい、慧くんに会いたいという衝動が抑えきれなかった。
「そうだったんですね。会いに来てくれて嬉しいです」
優しく抱きしめ返してくれた。私は更に強く抱きついた。
「京香さん…。俺、今、京香さんが欲しいです」
慧くんの熱い体温が伝わってくる。私はその熱を味わいたい。首を縦に頷いた。
「京香さん……」
熱い目で私を見つめ、まずは優しい触れるだけのキスをした。
そのまま次第にキスが深くなっていき、私は彼のキスに溺れた。