恋の微熱に溺れて…
今夜は間違いなくするであろう。そのまま明日もずっと…。
慧くんが求めなくても、きっと私が求めてしまいそうだ。
それだけ慧くんとの触れ合いは甘美な時間で。時間を忘れるほど求めてしまう。
元々私はそこまで欲が強いタイプではなかった。経験がなかったため、好きな人と触れ合うことの良さを知らなかった。
でも慧くんによって変えられた。慧くんの人肌を知ってしまった私は、欲深い人間になっていた。
慧くんのことが好きだからもっと彼のことを欲しくなるのもあるが、慧くんがそういったテクニックに長けているため上手なのもある。
それなりに経験を積んできたのであろう。今更過去のことについてヤキモチを妬いたりはしないが、羨ましいとは思う。私より先に慧くんと出会い、慧くんの初めてをもらっていることが。
そんなことを考えてもキリがないので、あまり考えないようにしている。
だって今は私の彼氏であり、今こうして彼と触れ合っているのは私だから。
そんなことよりも、月曜日の自分の身体の方が心配だ。

「京香さん、お酒と食べ物をどうぞ」

慧くんが色々とクリスマスパーティーの準備をしてくれた。
何もしなくても食べ物や飲み物が出てくる。本当に贅沢な幸せだ。

「ありがとう。美味しそう…」

「今日みたいな日は贅沢したいなと思って、ちょっとお高いデリバリーを注文しておきました」

目の前に置かれた食べ物は見るからに高級そうに見える。一体、いくらしたのだろうか。
少しくらいお金を出したいが、こういった時、黙って奢られる方がいいのか。はたまた割り勘にした方がいいのか。未だに迷ってしまう。

「京香さん。お金のことは気にしないでください。俺がやりたくてやっていることなので」

いつもそう言われてしまうので、結局奢られることが多い。
慧くんがそれでいいなら、私はそれで構わない。彼の嬉しそうな顔を見るのが一番だから。

「そっか。それならお言葉に甘えちゃおうかな…」

「そうしてもらえると、俺としては嬉しいです。さぁ、せっかくの美味しい料理があるので、早速食べちゃいましょう」

せっかく美味しいものがあるのだから、何もせずにいる方が勿体ない。
それに美味しいものが大好きな私にとっては、食べたり飲んだりしないという選択はない。
だから思いっきり美味しい料理とお酒を堪能することにした。

「そうしよっか。それじゃ早速、頂いちゃおうかな」

「是非。まずは乾杯」

「乾杯…」

グラスに注がられたシャンパンをまずは頂く。
手に持ったグラスを口元まで運び、口の中に泡を流し込む。程良い泡とフルーティーな匂い。ほのかに甘い味が喉を伝う。
あまりの美味しさに、気がついたらどんどん飲んでしまった。
美味しいお酒とはこういうお酒のことを言うんだなと感心させられた。
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