恋の微熱に溺れて…
「大丈夫だよ。疑ってないからね。でもちゃんと伝えてくれてありがとう」

私を安心させたいという気持ちが伝わって。それだけでとても大事にされていると感じた。

「いえいえ。俺も疑ってないですからね?ちゃんと京香さんを信じてます」

お付き合いしている人がいながら、他の異性となんて…そんなこと考えられない。
私には恋愛経験が不足しているのもあるが、こんなにも大好きな人がいて浮気する人の心理が未だに理解できなかった。

「大丈夫。ちゃんと分かってるよ。慧くんは私のことを疑ってないって」

疑われるようなことがあるほど友達はいないし、異性の知り合いなんて職場の人間ぐらいだ。
そんな私が疑われることなんてあると微塵も思っていないし、疑われるような行動も取っていないので、疑われると考えたことすらない。
だから彼が私を疑うなんてことはない。堂々と胸を張って言える。

「お互いにお互いを信じてますからね。俺達の愛は誰にも崩せません」

入る余地もない。絶対に誰も入らせない。

「そうだよ。誰にも崩させないし、入らせすらしない」

それぐらい彼を愛している。誰にも渡したくない。

「そうですね。入らせません。絶対に…」

強い目で彼は私を見つめてきた。目の強さは意志の強さを感じた。

「うん。絶対に…」

私も同じように強い目で彼を見つめた。意志の強さを伝えるために。

「京香さん……」

お互いに自然と顔の距離が近くなり、そのまま唇が触れ合った。
軽く唇が触れ合った後、お互いに顔の距離が離れていき、それ以上は踏み込まなかった。
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