恋の微熱に溺れて…
「とても大事だよ。できればずっと良い運気でいたいからね。それがなかなか難しいのは分かってるけれど、なるべくなら幸せを感じられる日々が多いに越したことはないからね」

何かに期待して生きるのは正直しんどい。良いことが何も起きなかった時、現実に絶望してしまうから。
でも何も行動を起こさずに、何か良いことが生まれるなんてことはない。行動を起こさないと何も始まらない。
だから私は行動を起こしたい。それが少しでも良い方向に進んでいけるように…。

「京香さんのその心がけは大事ですね。とても勉強になりました。今日から俺も心がけようと思います」

きっと慧くんは心がけなくても、ずっと運気が良いのであろう。
とても羨ましいが、慧くんが特別なんだと思う。
誰も真似したくても真似できない。その人だけの特別な運体質に過ぎない。

「慧くんは常に心がけてると思うよ。私にはいつも慧くんの優しさがちゃんと伝わってるもん」

慧くんは常に私のことを大事に想ってくれている。そういった思いやりが常にあるからこそ、運気が良いのかもしれない。

「本当ですか?京香さんにそう言ってもらえて嬉しいです」

その素直さこそ、見習いたいと思っている。

「そろそろ俺達の番ですね」

そうこうしているうちに、あっという間に列が進み、自分達の番が回ってきた。

「あら。気がついたらこんなに進んでたんだね…」

慧くんと一緒に居ると不思議だ。時間があっという間に感じてしまう。
それぐらい自分達の世界に浸っていた。周りさえも気にならないくらいに…。

「そうですね。参拝しましょうか」

ちゃんと参拝の作法の手順を守って、神様に感謝の意とこれからについてお願いした。
参拝を終えた私達はそのままくじを引きに向かった。

「色々種類がありますね…」

おみくじにこんな種類があるなんて知らなかった。どれも興味深い。

「どれも気になるけど、とりあえずオーソドックスのを引いてみよっか」

昔からあるおみくじがあったので、それを引いてみることにした。
手を伸ばし、適当に一つ手に取る。恐る恐るおみくじの中身を見る。結果は…。

「俺は大吉でした。京香さんは?」

なんとなくだけど、慧くんは大吉を引くような気がした。
それに対して私は…。
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