恋の微熱に溺れて…
「私がこの二、三年のうちに結婚するってことになったら、三十歳ぐらいに子供を産めたら良いなって思ってるの。
でもその時、彼の年齢は……四十歳。つまり子供が二十歳の時、彼は六十歳になっちゃうんだよね…」

いくら年齢が関係ないとはいえども、多少年齢は大事だ。特に将来のことを考えるとより…。

「それは…なかなか厳しいね。定年の年齢が上がっているとはいえども、ギリギリだね…」

「そうなんだよね。それを最近、痛感しちゃってね。京香はさ、離れてるっていっても五歳差だし、しかも年下だからいいけど、逆は本当に大変。バレンタインのチョコを作る前にこんな話をするのおかしいけど、このまま彼とお付き合いを続けようか悩んでる」

彼の人間性は嫌いではない。ずっと一緒に居たいと思っていたはず…。
でも優希は彼と一緒に居ることよりも、自分の思い描いている将来を手にする方を選びたいのであろう。

「私に口出す権利はないから余計なことは言わないでおくけど、ちゃんと彼氏さんと話し合った方がいいと思う」

優希の気持ちが一番大事だが、彼とのことは彼の気持ちもある。
今の優希に必要なことは彼と向き合うことだ。優希が一番幸せな選択をすることを心から願った。

「京香の言う通りだね。ちゃんと話し合ってみようと思う。話し合うために彼にバレンタインチョコを作って渡すことにする」

何かきっかけがあった方が話しやすい。今の優希にはバレンタインが良いきっかけになりそうだ。

「それがいいと思う。明日、頑張って作ろうね」

私がそう言うと、優希の表情が一気に明るくなった。

「そうだね!頑張ろう!」

優希にとって今回のバレンタインは、今までのバレンタインとは違ったバレンタインになるかもしれない。
それでも優希は明るく前を向く決心を持った。自分のためにも、彼のためにも。
私も優希を見習って、真剣に彼との将来について考えようと思った。
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