凄腕な年下外科医の容赦ない溺愛に双子ママは抗えない【極上スパダリ兄弟シリーズ】
――もうずっとこのままでいたい。このまま……。
「急に静かになりましたね。部屋の番号は?」
「……ん? 二〇一」
アルコールのせいかボーッとした頭で反射的に自分のマンションの部屋番号を答えると、彼がエレベーターの前で立ち止まって私を見据えてきた。
「ここのホテルの二階はレストランで、客室はないですよ。泊まってる部屋の番号は?」
もう一度聞かれるが、わからなくて聞き返してしまう。
「……部屋の番号?」
「かなり酔いが回ってきたみたいですね」
ハーッと溜め息混じりの声で言って、涼さんはエレベーターに乗る。
酔って開放的な気分になったのか、ちょっと困惑した顔をしている涼さんがなんだかかわいく思えてクスッと笑った。
「私ね……副社長に憧れてたの。でも、副社長は真理ちゃんと結婚して……私も心から祝福してる。幸せになってほしい。だけど……」
ほろ酔いで敬語を使うことも忘れ、今まで誰にも言わなかった話をする。それは鍵をかけて心の箱に閉じ込めておいた私の思い。
「だけど?」
涼さんに穏やかな声で先を促され、正直に告げた。
「私の心だけ……どこか置いてけぼりになってる気がするの。おかしいよね?」
「おかしくないですよ」
優しい声で言われ、心の鍵がまたひとつ解除される。
「副社長は私よりふたつ年下だけど、とても紳士的で大人の男性に見えた。でも、尊敬して……憧れてた人が結婚して、夢から覚めたっていうか。自分には恋愛や結婚は無理だなって、改めて思うようになったの」
自分でも信じられないくらいこんなにペラペラ喋ってしまうのは、きっと彼が聞き上手だからに違いない。彼に話すと、重かった心がその分軽くなるような気がした。
「兄は全然紳士的じゃないですよ。それは演技です」
涼さんからつっこみが入り、おかしくてクスクス笑う。
「うん。親しい人はそう言うの。真理ちゃんは副社長が意地悪だって。私は副社長のことをなにも知らない。ある意味幻影を追ってる。ひょっとしたら、人と深く関わるのが怖いからかも……」
「どうして怖いんですか?」
自然な流れで聞かれ、ためらわずに答える。
「急に静かになりましたね。部屋の番号は?」
「……ん? 二〇一」
アルコールのせいかボーッとした頭で反射的に自分のマンションの部屋番号を答えると、彼がエレベーターの前で立ち止まって私を見据えてきた。
「ここのホテルの二階はレストランで、客室はないですよ。泊まってる部屋の番号は?」
もう一度聞かれるが、わからなくて聞き返してしまう。
「……部屋の番号?」
「かなり酔いが回ってきたみたいですね」
ハーッと溜め息混じりの声で言って、涼さんはエレベーターに乗る。
酔って開放的な気分になったのか、ちょっと困惑した顔をしている涼さんがなんだかかわいく思えてクスッと笑った。
「私ね……副社長に憧れてたの。でも、副社長は真理ちゃんと結婚して……私も心から祝福してる。幸せになってほしい。だけど……」
ほろ酔いで敬語を使うことも忘れ、今まで誰にも言わなかった話をする。それは鍵をかけて心の箱に閉じ込めておいた私の思い。
「だけど?」
涼さんに穏やかな声で先を促され、正直に告げた。
「私の心だけ……どこか置いてけぼりになってる気がするの。おかしいよね?」
「おかしくないですよ」
優しい声で言われ、心の鍵がまたひとつ解除される。
「副社長は私よりふたつ年下だけど、とても紳士的で大人の男性に見えた。でも、尊敬して……憧れてた人が結婚して、夢から覚めたっていうか。自分には恋愛や結婚は無理だなって、改めて思うようになったの」
自分でも信じられないくらいこんなにペラペラ喋ってしまうのは、きっと彼が聞き上手だからに違いない。彼に話すと、重かった心がその分軽くなるような気がした。
「兄は全然紳士的じゃないですよ。それは演技です」
涼さんからつっこみが入り、おかしくてクスクス笑う。
「うん。親しい人はそう言うの。真理ちゃんは副社長が意地悪だって。私は副社長のことをなにも知らない。ある意味幻影を追ってる。ひょっとしたら、人と深く関わるのが怖いからかも……」
「どうして怖いんですか?」
自然な流れで聞かれ、ためらわずに答える。