悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
 確かに彼が娼館に通ってくれていた時は、私が他の客のところにいかないように複数回したけれど、抜かずに何度も、ということは無かったはずだ。
 というかそもそも、もう私が他の客を取ることなどないのだから、そんなに頑張る必要なんてないと思うのだが――

「サシャ、頼むよ。苦しいんだ」
「あ、うぅ……」

 誘うように情欲をちらつかせながらそう懇願するように見つめられると、もう何も言えない。
 だって仕方ないのだ。愛しい未来の旦那様がお望みなのだから。

「す、少しだけ、ですよ?」
「あぁ。約束しよう。俺基準の少しになるが」
「えっ、あ、あんっ」

 若干聞き捨てられない不穏な単語に震えつつ、私は再び彼の熱を受け入れたのだった。


 ――きっとこれから先、私たちには色んな困難が待っているのだろう。
 それは想像するに難くない。

 けれど、きっと私たちなら乗り越えられるという確信がある。
 だって私たちが二人で歩む人生は、今からはじまるのだから。
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