眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛

43 決意

「さぁ、早くこっちへ来い、ローラ。そうしなければこの体ごとイヴを殺すぞ」

 エルヴィンはそう言って、自分の首に剣をあてがった。

「そんなことしたらお前は体を失うだけだ」

 フェインが冷静に言うと、エルヴィンは薄ら笑いを浮かべた。

「はっ、体なんていくらでもあるだろ。イヴの兄たちだって俺にとっては都合の良い器だ。こいつらもそれを心得ている」

 エルヴィンの言葉にイヴの兄たちは目を合わせ大きく頷く。

(この人はどこまで身勝手で傲慢で残酷なの?生前から何も変わっていない……!)

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