眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
20 過去
「ローラに何か御用ですか、レイナー騎士団長」
ローラの両肩に手を添え、後ろからそっとローラの横にやってきたヴェルデの顔は険しい。だが、レイナーは気にする素振りもせずに堂々としている。
「これはこれはヴェルデ。こんなに美しい奥様を放っておいて他の女性と親密そうに話をしていたようだが、終わったのか?」
「ノエルはただの同僚みたいなものです。そんなことより、ローラにちょっかい出さないでください。レイナー騎士団長といえど許しません」
「ほう、本当にただの同僚か?君たちは確か過去に付き合っていたのではなかったかな」
レイナーの言葉に、ローラはハッとしてヴェルデを見る。親密そうに見えたヴェルデとノエルはやはり昔、そういう関係だったのだ。納得すると同時に、ローラの胸の中にチリチリと焼け焦げるような痛みが走る。
(やっぱり、あの近さはそういうことだったのね。ヴェルデ様があんな風に砕けたお顔をするのも、それなら当たり前だわ)
ローラは少し俯いてドレスをそっと握りしめる。そんなローラの様子を見て、ヴェルデは辛そうな表情になり、すぐにレイナーを睨みつけた。
「レイナー騎士団長、これは今ここで関係ある話ですか」
「そんな怖い顔をするな。奥様が怯えてしまうだろう、ああ、それとも奥様は違うことに頭を悩ませ始めているのかな。その様子だと、ヴェルデの過去の女性関係については何も聞かされていないようだが」
「レイナー騎士団長。あまりにも悪趣味すぎませんか」
フェインが厳しい顔でレイナーへ言うと、ローラの両肩を掴むヴェルデの手の力が強まった。
「ははは、すまない。ヴェルデがあまりにも素敵な奥様と結婚していたものだから、つい悔しくてね。申し訳ありません、あまりお気になさらないでください。どう見ても今のヴェルデはあなたに夢中だ」
そう言って、レイナーはローラへ微笑みながらお辞儀をする。
「それで、さっきレイナー騎士団長が言おうとしていたことはなんですか。ローラに探りを入れるとかなんとかおっしゃっていましたが」
「探り?」
フェインの言葉にヴェルデが眉を顰めると、レイナーはまた周囲を確認しながら声を顰めた。
ローラの両肩に手を添え、後ろからそっとローラの横にやってきたヴェルデの顔は険しい。だが、レイナーは気にする素振りもせずに堂々としている。
「これはこれはヴェルデ。こんなに美しい奥様を放っておいて他の女性と親密そうに話をしていたようだが、終わったのか?」
「ノエルはただの同僚みたいなものです。そんなことより、ローラにちょっかい出さないでください。レイナー騎士団長といえど許しません」
「ほう、本当にただの同僚か?君たちは確か過去に付き合っていたのではなかったかな」
レイナーの言葉に、ローラはハッとしてヴェルデを見る。親密そうに見えたヴェルデとノエルはやはり昔、そういう関係だったのだ。納得すると同時に、ローラの胸の中にチリチリと焼け焦げるような痛みが走る。
(やっぱり、あの近さはそういうことだったのね。ヴェルデ様があんな風に砕けたお顔をするのも、それなら当たり前だわ)
ローラは少し俯いてドレスをそっと握りしめる。そんなローラの様子を見て、ヴェルデは辛そうな表情になり、すぐにレイナーを睨みつけた。
「レイナー騎士団長、これは今ここで関係ある話ですか」
「そんな怖い顔をするな。奥様が怯えてしまうだろう、ああ、それとも奥様は違うことに頭を悩ませ始めているのかな。その様子だと、ヴェルデの過去の女性関係については何も聞かされていないようだが」
「レイナー騎士団長。あまりにも悪趣味すぎませんか」
フェインが厳しい顔でレイナーへ言うと、ローラの両肩を掴むヴェルデの手の力が強まった。
「ははは、すまない。ヴェルデがあまりにも素敵な奥様と結婚していたものだから、つい悔しくてね。申し訳ありません、あまりお気になさらないでください。どう見ても今のヴェルデはあなたに夢中だ」
そう言って、レイナーはローラへ微笑みながらお辞儀をする。
「それで、さっきレイナー騎士団長が言おうとしていたことはなんですか。ローラに探りを入れるとかなんとかおっしゃっていましたが」
「探り?」
フェインの言葉にヴェルデが眉を顰めると、レイナーはまた周囲を確認しながら声を顰めた。