【更新】護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!

「きょ、恐縮です。……えぇっと、それで魔術師たちの仕事ですが、魔術の研究と開発、魔石の魔力充填、要請で出動し魔術を行使したり、あとは呪術の摘発ですね。今も長官以下数名が捜査に出ています」

 塔の内部は階段がなく、移動はすべて魔法陣だ。仕事部屋では魔術師たちが忙しそうに立ち働いている。
 塔の内部に部屋があっても、魔術師でないエリアナが移動できるとは思えなかった。ルードリックの言が正しい。
 ちなみに魔術師には各々担当領地が決められていて、魔力を持つ者の発掘と魔術行使をする。
 副長官のパックンはクラッチェ公爵領地を担当していると話す。アマンダの家だ。

「死の森を睨むアルディナルの領地はトーイ長官にしか務まりません。先日も魔物の討伐に同行しまして……」

 早口でトーイのすばらしさを語るパックンの目が尊敬の念で輝いている。長官大好きなのだ。

「そろそろ確認の部屋に案内してくれ。時間がもったいない」

 怒涛のように続くトーイ賛辞を止めたルードリックが、エリアナに疲れていないかと尋ねる。

「平気です」
「はっ、これは申し訳ございません。今すぐに移動いたしましょう!」



 その部屋では二名の魔術師が待っていた。女性一人と、男性一人。彼らは歓迎の場にいて拍手喝采していたらしいけれど、メモボードと羽ペンを持つ今はすっかり真面目な顔つきになっている。

「魔術師部研究科長、ステアートと申します。長官より確認作業を承ってます。瘴気、毒、呪い、我らが取り除くのも難しいと判断した〝強力な悪しき力〟を準備しています」
「魔術師部研究科副長のセリーナです。これらにエリアナ殿の力がどう作用するのか、どの程度の力で悪しき力が破壊されるのか、見極めるように言い使っております」

 大きな布がぴらっとめくられる。彼らの言う通り、様々なものが用意されていた。

 ──すごい量ね。
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