【更新】護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!
セリーナは汚らわしいものを見るような目でブローチを睨み、床に置いた。ついでシュンと伸ばした杖をココンと床に打ち付け、詠唱を始める。
セリーナ発する言葉に沿うように、杖から光る文字が流れるように飛び出して床に複雑な模様を描いていく。
──わあ、すごい。
初めて見るその光景は神秘的で感動的だ。
けれど、トーイは詠唱せずに魔法陣を出していたことを思い出し、改めて帝国一の魔術師のすごさを思い知ったのである。
詠唱を続けるセリーナの額から汗が伝わって落ちる。大変な集中力と魔力を消費しているのだ。エリアナは固唾をのんで見守った。
時間にして五分程度経過しただろうか、セリーナが詠唱を止め、床に描かれた魔法陣がカッと光った。
セリーナはホッと息をついている。
「ふむ。今の光で解呪されたのか?」
尋ねたのはルードリックだ。
「いえ、今のは魔法陣の作成に成功した光です。これからさらに呪文を唱えて魔法陣に魔力を送り、解呪となります。セリーナ、ステアート」
「はい、お任せください」
セリーナとステアートが呪文を唱えて魔法陣を叩くとまばゆいほどの光が呪物を包み、シュウゥゥと音を立てて【魅了】のピンク文字が崩れて霧散していく。それはとても美しく、清純な光景に見えた。
「あ、消えた」
エリアナがつぶやいたのと同時に、ブローチがパキンと鳴った。見れば亀裂が入っている。
「解呪できました。セリーナは魅惑に加え、洗脳の解呪魔法陣を展開しました。なぜなら、洗脳の呪いも施されていたからです。このように、我らは時間と手間をかけて解呪しております」
「今度はエリアナ殿の番です。まず、あの絵画の解呪をお願いします」
パックンがイーゼルに収まった風景画を指す。
「副長官、解呪師には呪物すべての情報が読めるんだ。そうだろう、エリアナ?」