【更新】護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!
ルードリックに微笑まれ、エリアナは気恥ずかしさを覚えつつ呪物を指さした。
「はい。この絵画には【枯渇】と【衰弱】。あの置物には【幻惑】。あのぬいぐるみには【服従】と【自己否定】と【空虚】の呪いがあります。あの腕輪は【隷属】。植物毒の種類もわかりますよ」
「えっ!?」
「ステアート、確認しろ」
「……すべて合っています」
ステアートが呆然とした声を出した。
「情報を読む、そんなことができるなんて……。最新の魔道具でさえ、すべての呪いを解析するのに一時間はかかるのよ。どうして、見ただけでわかるの?」
セリーナは唖然としている。
「エリアナ、解呪を。複雑な呪いがかかっているものがいいだろう」
「はい、殿下」
解呪するには、まず封じの陣から出さなければならない。
──えっと、複雑な物というと、まず一番禍々しい気を放ってるぬいぐるみがいいかしら……。
相変わらずビリッとする痛みを覚悟をしながら、そ~っとぬいぐるみに触れる直前。
「バチン!!」
「きゃっ」
「エリアナ!」
解呪の音が響いてまばゆい光が部屋中に広がった。衝撃でよろけたエリアナの体をルードリックが素早く支える。
「けがはないか?」
尋ねるルードリックの瞳は澄んだ青色で、心配げに覗き込む様子はいつもに増してキラキラ輝いて見える。後光が差しているかのような姿に、エリアナは目をしぱしぱさせた。
「はい……ありがとうございます。平気です……あら?」
「どうした?」
「殿下、陣の上の呪物すべてが解呪できています」
おどろおどろしいほどに立ち上っていた呪いの靄が全部消えている。
「ふむ。封じの陣に入っていたゆえに、エリアナの力が陣のなかで充満したのだろう。前に箱の中の呪物を一気に解呪したのと同じ現象だな」