【更新】護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!

「……全部解呪? そんな、まさか!? どの呪物も一筋縄ではいかないものだったはずだ。ステアート、確認してくれ!」
「はっ、はいっ、副長官。今すぐに!」

 ステアートとセリーナが慌ただしく部屋の中を駆け、呪いを認識する魔道具を呪物だった物に当てている。

「パックン副長官……解呪……できています」
「しかも、どれも傷ひとつ入っていません」
「本当か!? ……なんてことなんだ」

 呪物だった物はみんな清らかな気を放ち、部屋の中は清浄な空気に満ちている。

 魔術師たちがぶるぶると震えだし、エリアナをくわっと見開いた目で見る。
 マクスはすぐさま警戒態勢を取り、エリアナの肩を抱くルードリックの腕にぐっと力がこもった。

「あ、あの、えっと、すみません?」

 素晴らしくも美しい魔法陣解呪を目撃したあとに、彼らにとってはわけのわからない方法で解呪してしまったので、なんだか申し訳なくなってしまったのである。

 魔術師たちがつかつかと歩み寄り、エリアナの前に立った。

「エリアナ殿っ、あなたさまは、なんっって素晴らしいお方なのでしょう!! トーイ長官の言の通り唯一無二の存在です!!」

 キラキラの目を向けてきたのはセリーナだ。頬を紅潮させてふんふんと鼻息を出し、大興奮といった体である。
 そんな彼女の額にちび獅子の肉球パンチがプニッと当たり、気勢をそぐも興奮度は衰えない。

「エリアナ殿!! 生まれてこの方四十年、こんなに震えるほどに感動したのは、トーイ長官の無詠唱魔法陣を拝見したとき以来です!! 解呪する様子は女神のように神々しいお姿でございました! 疑って申し訳ございません。この無礼で浅慮な私に、どうか罰をお与えください!」

 パックンの鼻の穴が大きく膨らみ、涙を流してエリアナに迫った。

「女神とか罰だなんてめっそうもないです。副長官、どうか落ち着いて」
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