【更新】護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!

 号泣するパックンの頬をちび獅子はしっぽでペシンペシンと払うが、彼の号泣はちっともやまない。

「エリアナ殿!? あなたさまは触れればどんな悪しき力も破壊できるのですか! もしかしたら触れなくてもできるのではないですか? 体内にめぐる力をコントロールして手に集めて放てば遠隔解呪も可能なのではないでしょうか。ぜひ検証するべきです。解呪グッズも発明できるのではありませんか。ぜひぜひやってみましょう。そうするべきです!」

 早口でまくし立てるステアートの額には、ちび獅子のペシペシ肉球パンチが何度もさく裂した。それでもステアートが収まらないため、毛を逆立てて「フーッ、シャァーッ」と威嚇し始める。

 部屋の中は興奮のるつぼだ。

「どうか罰を!」と涙を流し続けるパックンをマクスが羽交い絞めにし、セリーナはどうにかしてエリアナの手を握ろうと画策する。それをルードリックが華麗に避け続け、ちび獅子の威嚇する声はやまない。

「……鎮まれ」

 業を煮やしたルードリックの冷酷な声が響き、室内は一気に静まり返る。ちび獅子も威嚇のポーズを崩した。
 エリアナがちび獅子を撫でると、ごろごろ喉を鳴らし始める。

 ──よかった……ちびちゃんでも守護獣だもの……。

 主のルードリックがいるから大丈夫だろうけれど、興奮して雷撃を放ったら大変である。

「失礼。大変お見苦しいところをお見せしました」

 正気を取り戻したパックンが気まずそうにコホンと喉を鳴らし、ステアートとセリーナも恥ずかしそうに居住まいを正す。

「エリアナの力について、俺から説明しよう」

 ルードリックは彼らに向けて話し始めた。

「体内にめぐる力をコントロールするのは、エリアナが力を認識できないため難しい」
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