【更新】護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!

 王国では常に聖女の役割に奔走していて、自由な時間といえばベッドに入っているときのみだった。

 この国では、自分には無縁だとあきらめていた同年代の友人ができ、ともに時間を過ごしている。おいしいお茶とスイーツを味わっておしゃべりに花を咲かせる。憧れの環境を手に入れたのだ。どうにも幸せを感じずにはいられない。

 頑張ってお茶会を開いてよかったと心底思い、ニヨニヨして天を仰いだ。

 ──ズルイータ公爵令嬢、あなたのおかげです。

 祈るように手を組み、入れ替わってくれた令嬢にむけて感謝の念を飛ばした。真摯に神に祈りを捧げて聖女の役目を頑張ってほしいと、王太子とも仲が良くなるようにと、心から願う。

 ──聖女の仕事は過酷だけれど、どうか、どうか、負けずに頑張ってください……!

「……ところで、エリアナはどうなさるの?」
「へ?」

 アマンダは平静を装いながらも好奇心旺盛な瞳でエリアナを見つめている。遠い空に思いをはせているうちに、話題が切り替わっていたらしい。

「どうって、なんのことですか?」
「陛下のお妃選びのことですわ。エリアナは伯爵ですもの、妃候補に名を連ねてもおかしくないでしょう?」
「そっ……妃候補だなんて! めっそうもないことです。陛下からそんなお話は伺ってないですし!」

 ──どうしてそんなお話に!?

 アセアセと否定するも、アマンダは目を輝かせて美しく微笑む。

「あら、めっそうもありますのよ。そもそも普段褒賞として個人に与えられる爵位は男爵か子爵なのです。段階的には男爵が適当でしょう。それなのにエリアナは伯爵位を与えられたのですもの。陛下には何事かのお考えがあるとするのが道理ですわ」

 ──そうかしら? 陛下はあまり深くお考えにならずに、決定したように思うのだけれど……?

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