【更新】護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!
家名を『ルルカ』としたのもあの場で決めたように見えたし、エリアナにとっての陛下は快活でいたずら好き、些細なことには頓着しないイメージで固定されている。
伯爵としたことにあえて理由があるとするならば、王国で聖女だったことと神から権能を授かった唯一の解呪師であることだろうか?
能力については稀有であると認めるが、裏を返せばたったそれだけでしかない。妃候補などもってのほかだ。
「やっぱり、めっそうもありません。私なんてポッと出の名ばかり伯爵ですから」
「あら、謙遜されることはないわ。このお茶会も素晴らしいですし、十分に資質がありますもの」
「そういえば、わたくしのお父さまも、伯爵ならば陛下の妃にできる。稀有な能力を持つルルカ伯爵ならば、スサノーンの加護を持つ陛下の妃にふさわしいと、口にしてましたわ!」
みんなが口々に同意すると、アマンダはカップに手を伸ばして優雅にお茶を一口飲み、ひたとエリアナを見つめた。
「マリアンヌのお父さまに同意です。恩人であり、特別な力をお持ちのあなたが皇妃として陛下と国を支えてくださるなら、わがクラッチェ公爵家が後ろ盾になりますわ。アルディナル大公家もそうなさるのではないかしら?」
「そうなれば、ベイン家も後ろ盾になるでしょう。エリアナはわたくしたちを救ってくださったんですもの。これで帝国内最大の派閥ができますわね」
真剣にうなずいたのはカトリーヌだ。
──はわわ、なぜか、どんどん大事に!
「そんな恐れ多いこと、無理です~っ」
孤児で聖女になり、何者かの手で祖国の公爵令嬢と魂を入れ替えられて追放され、つい先日に帝国民になったばかりのエリアナは、貴族令嬢としての品格も覚悟も教養も持ち合わせていない。