【更新】護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!

 しかし城に招待したくても、エリアナにはなんの権限もない。

「でも招待するなら、殿下の許可が必要でしょうか」

 エリアナが首をかしげると、彼女たちの声がぴたりとやんだ。

「そうよね、大公殿下はお許しくださるかしら」

 半ばあきらめたように顔を見合わせている。

 たしかにルードリックは女性が苦手で、接点を持たないよう常に遠ざけてきたようだし、婚約者のいる彼女たちにも冷たい態度を取ってしまうかもしれない。

 悪人を許さない苛烈な一面もあるから、冷酷だと噂が出回るのもうなずける。アカデミーの特別講師をしていたときは、殿方向けの魔物討伐の講義だったし雷撃も見せたようだから余計に恐ろしいイメージがついているはずだ。

 ──実際はとてもやさしいお方なんだけどな。笑顔も天使だもの。

 テラスで声を立てて笑っていたルードリックを思い出せば、エリアナの頬がふにゃんと緩む。ほんとうに可愛らしかったのだ。

 日常的にあの笑顔でいられるよう、解呪するのがエリアナの最大の使命だ。解呪できるまで、ルードリックのそばから離れるわけにはいかない。

「伺ってみないと、わかりませんけど。おそらく大丈夫かと思います」

 ルードリックの話題が出た途端にエリアナの顔が幸せそうに緩んだので、アマンダたちはピシャーンと雷に打たれたような表情になっていた。

「……っ、そうですわね。エリアナの希望なら、きいていただけるかもしれませんわね?」

 アマンダが慌てた様子で同意すると、マリアンヌが思い出しように「ああ、そういえば」とつぶやいた。

「パーティでエリアナとダンスをする大公殿下はとてもおやさしい表情をなさっていたと聞きましたわ。とても大切にされているのではなくて?」
「そんな……大切というよりも、華やかな場になれてない私を気遣っていただいていただけですから」

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