【更新】護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!
とある妃候補の策略
☆☆☆
サロンが終わり、妃候補たちは自室に戻っていく。その流れの中で歩みを止めた候補が一人。ぐっと唇を結び、先を歩くルシータを見つめた。
なぜ平気な様子でサロンに参加しているのかが解せない。計画が順調にいけば、今頃は体調不良で妃候補を辞退して実家に戻っているはずだった。
現に前回会ったときは澄ました顔をしていても顔色が悪く、体調が芳しくないことは明らかだった。
ぼそっとつぶやく。
「なのに、どうしてあんなに顔色がいいのかしら」
「お嬢さま、急に立ち止まったりして、具合でもわるいのですか?」
侍女が心配そうに顔を覗き込む。いけない、今のつぶやきを聞かれてないといいのだが。
「守護獣の恐ろしさを思い出して足がとまっただけよ」
適当にごまかせば、侍女はカッと眉を吊り上げた。
「お嬢さまがたを恐怖に陥れるなんて、ヴァイオレットさまは才女かもしれませんが、ほんとうに傲慢で卑劣ですわ! 許せません!」
「あのお方は最善を尽くしただけよ。わたくしはもう大丈夫だから、部屋にもどりましょう」
可憐に微笑みかけると侍女はホッとしたようだ。
「まあ、あのお方が守護獣をけしかける可能性もありましたのに、お許しになるなんて。お嬢さまは優しすぎます」
「けしかけるなんて。そんなことはなさらないわ。それに、わたくしはほかの妃候補とも仲良くしておきたいだけよ」
侍女は「お嬢さまは天使です」と涙ぐむ。
おおげさな反応だけどこれでいい。
皇妃になるためには、今まで作り上げてきた可憐でやさしい天使のような令嬢像を崩してはいけない。皇妃になるには社交界の評判やうわさが大切なのだ。
侍女を伴ってしずしずと部屋に戻ると。疲れているからと言って皆を追い出した。
サロンが終わり、妃候補たちは自室に戻っていく。その流れの中で歩みを止めた候補が一人。ぐっと唇を結び、先を歩くルシータを見つめた。
なぜ平気な様子でサロンに参加しているのかが解せない。計画が順調にいけば、今頃は体調不良で妃候補を辞退して実家に戻っているはずだった。
現に前回会ったときは澄ました顔をしていても顔色が悪く、体調が芳しくないことは明らかだった。
ぼそっとつぶやく。
「なのに、どうしてあんなに顔色がいいのかしら」
「お嬢さま、急に立ち止まったりして、具合でもわるいのですか?」
侍女が心配そうに顔を覗き込む。いけない、今のつぶやきを聞かれてないといいのだが。
「守護獣の恐ろしさを思い出して足がとまっただけよ」
適当にごまかせば、侍女はカッと眉を吊り上げた。
「お嬢さまがたを恐怖に陥れるなんて、ヴァイオレットさまは才女かもしれませんが、ほんとうに傲慢で卑劣ですわ! 許せません!」
「あのお方は最善を尽くしただけよ。わたくしはもう大丈夫だから、部屋にもどりましょう」
可憐に微笑みかけると侍女はホッとしたようだ。
「まあ、あのお方が守護獣をけしかける可能性もありましたのに、お許しになるなんて。お嬢さまは優しすぎます」
「けしかけるなんて。そんなことはなさらないわ。それに、わたくしはほかの妃候補とも仲良くしておきたいだけよ」
侍女は「お嬢さまは天使です」と涙ぐむ。
おおげさな反応だけどこれでいい。
皇妃になるためには、今まで作り上げてきた可憐でやさしい天使のような令嬢像を崩してはいけない。皇妃になるには社交界の評判やうわさが大切なのだ。
侍女を伴ってしずしずと部屋に戻ると。疲れているからと言って皆を追い出した。