【更新】護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!
エリアナが触れれば毒は消えて彼女の疑いは晴れるが、陛下の面目はつぶれてしまう。それを理解したうえでの提案であり、陛下がどうこたえるかもエリアナにはわかっている。
「ふむ、いや、その必要はない。この茶に何が入っているのか、この者が自白したゆえに、誰が用意したのかは明白だからな」
「自白……?」
「茶に混ぜたものが薬だと知っているのは本人のみ。皇帝に無断で薬を盛るなど重罪である。モブダナー伯爵令嬢を部屋に。沙汰があるまで謹慎を命じる」
「そ……そんな……わたくしは陛下のお言葉から推察して、薬だと申し上げただけです!」
モブダナー伯爵令嬢は、機敏に動いた護衛騎士たちに腕を取られて引きずられていった。
「まあ、薬だなんて」
「毒ということでしょうか」
「暗殺をもくろんでいらしたの? 恐ろしいわ」
「モブダナー家は降格でしょうか」
妃候補たちの間に動揺がひろがり、重い空気が流れる。
「皆の者、騒がせたな。私と母上は大事ないゆえ、このまま選定試験を続ける」
皇妃になるならば、この程度のことで動揺するなということか。
ガゼボにはルシータが呼ばれ、その後は何事もなかったように試験は続いた。