【更新】護国の聖女でしたが別人にされて追放されたので、隣国で第二の人生はじめます!
「ルシータ、ヴァイオレット。無能のくせに、なぜ生きていますの!?」
ルシータとエリアナを闇の目で睨んだ。
「有能さを見抜く目のない者が無能だ。スグレテイル侯爵令嬢は騎士の腕前を持ち、魔物も呪術の矢も砕いた。そしてヴァイオレットの正体は解呪師のエリアナだ」
ルードリックの暴露に周囲が驚きの声を上げ、彼女はぐわっと目を見開いた。血走った目が射抜くようにエリアナを見る。
「そんなはずはないわ! 解呪師はこのような姿ではないでしょう!」
「エリアナ」
「はい、殿下」
ルードリックに促され、ウィッグを外せばピンクシルバーの髪がさらりと肩におちる。
「おお、まさしく解呪師さまだ」
「魔物を獣に戻したのは、解呪師さまだったのか」
「解呪師さまこそ、皇妃にふさわしいのではないか」
納得、感嘆、称賛の声がさざ波のように広がるが、彼女は醜悪に顔をゆがめた。
「違います! 稀有で有能なわたくしこそ、皇妃にふさわしいのです! とくとご覧なさい。無能な者たち! わたくしの偉大なる力を!!」
呪力の盾を消し、なにやら詠唱を始めている。まがまがしい力を持つ文字が杖から流れ出て、彼女を警戒している騎士たちの体に巻き付いていく。
「うわぁ、なんだ?」
「体が動かない」
困惑する騎士を見て彼女はうすら寒い笑みを浮かべている。
「大変です、殿下。あれは【傀儡】です」
傀儡は人を意のままに操る呪いだ。彼女の周辺にいる騎士がみんな呪いにかかっていった。
「チッ、面倒な。行くぞ。エリアナ」
「はいっ」
エリアナを抱えてひらりと黒獅子に乗ったルードリックとともに、傀儡になっている騎士たちのもとに急いだ。
「騎士たちよ、解呪師の息の根を止めなさい。大公殿下は生かしておきなさい。あとでわたくしの傀儡にするから」
「はっ、ふざけたことを言う」