早河シリーズ第六幕【砂時計】
手配中の強盗殺人犯の宇田川が中野区に住む恋人の自宅に現れたとの情報が入り、警視庁捜査一課の原昌也と小山真紀は中野区に急行した。
原と真紀は小雨の降る中、宇田川の恋人のアパートの近くに車を停めて被疑者が出てくるのを待った。
「例の前科者の連続殺人、本部から情報が降りてきませんね。私達も捜査本部の一員なのに何がどうなっているのか全然わからないまま通常業務に戻れだなんて……」
『あの阿部が仕切ってんだからそうなるだろうな』
原は大きなあくびをしているが目はアパートの出入口から離さない。
「寝不足ですか?」
『徹夜で調べものしてた。……警視庁上層部も国家公安委員会から派遣された阿部には逆らえねぇんだよ。これは警視庁と警察庁、国家公安委員会の争いだからな』
「そこまで大きな扱いになるということは、被害者に共通するのが早河さんが逮捕した前科者だったこと以外に、あの連続殺人事件には何かあるんでしょうか?」
『秘密主義な阿部警視殿は重大な証拠を掴んでも下っ端の俺達には教えねぇよ』
原は菓子パンの袋を乱雑に開けてパンにかぶりつく。真紀もコンビニのパンを頬張った。
時間帯は朝食と昼食の間、しかしブランチと言えるほど優雅ではない食事だ。
「原さん、阿部警視のこと相当嫌ってますよね」
『嫌いっつーか、気に入らねぇだけだ。昔から何かにつけてイチャモンつけてくる。馬が合わない相手ってこと』
馬が合わないは阿部も同じ事を言っていた。唯一その点では気が合っているおかしな同期組だ。
『早河って言えば、お前は情報屋とは順調によろしくやってんのか?』
「原さんなんでそのこと……」
『俺を誰だと思ってる? 本庁の前でお前らがよくいちゃついてるのも知ってるぞ』
原は冷めかけた缶コーヒーに口をつける。分かりやすく頬を赤らめる真紀は黙々とパンを口に詰め込んだ。
同僚に交際事情を知られるのは恥ずかしいものだ。
原と真紀は小雨の降る中、宇田川の恋人のアパートの近くに車を停めて被疑者が出てくるのを待った。
「例の前科者の連続殺人、本部から情報が降りてきませんね。私達も捜査本部の一員なのに何がどうなっているのか全然わからないまま通常業務に戻れだなんて……」
『あの阿部が仕切ってんだからそうなるだろうな』
原は大きなあくびをしているが目はアパートの出入口から離さない。
「寝不足ですか?」
『徹夜で調べものしてた。……警視庁上層部も国家公安委員会から派遣された阿部には逆らえねぇんだよ。これは警視庁と警察庁、国家公安委員会の争いだからな』
「そこまで大きな扱いになるということは、被害者に共通するのが早河さんが逮捕した前科者だったこと以外に、あの連続殺人事件には何かあるんでしょうか?」
『秘密主義な阿部警視殿は重大な証拠を掴んでも下っ端の俺達には教えねぇよ』
原は菓子パンの袋を乱雑に開けてパンにかぶりつく。真紀もコンビニのパンを頬張った。
時間帯は朝食と昼食の間、しかしブランチと言えるほど優雅ではない食事だ。
「原さん、阿部警視のこと相当嫌ってますよね」
『嫌いっつーか、気に入らねぇだけだ。昔から何かにつけてイチャモンつけてくる。馬が合わない相手ってこと』
馬が合わないは阿部も同じ事を言っていた。唯一その点では気が合っているおかしな同期組だ。
『早河って言えば、お前は情報屋とは順調によろしくやってんのか?』
「原さんなんでそのこと……」
『俺を誰だと思ってる? 本庁の前でお前らがよくいちゃついてるのも知ってるぞ』
原は冷めかけた缶コーヒーに口をつける。分かりやすく頬を赤らめる真紀は黙々とパンを口に詰め込んだ。
同僚に交際事情を知られるのは恥ずかしいものだ。