ハイスぺ年下救命医は強がりママを一途に追いかけ手放さない
10月、私の三十二歳の誕生日が近づいてきた。土曜日の昼に琴絵さんが新居に遊びに来た。誕生日プレゼントだと花束とケーキを持って。生憎、和馬は仕事である。

「いい家ねえ。新築でこんな広いところ、この立地で見つけるのは大変だったでしょう」

琴絵さんが室内を見て回りながら言う。

「和馬が見つけてくれたんだ。この先、子どもが増えてもいいようにって空き部屋がふたつもあるの」
「ふふふ、和馬くんらしいね」
「客間にしてあるから、琴絵さんがいつ泊まりにきても大丈夫だよ」

花束を玄関に飾って戻ってくると、琴絵さんは真優紀と遊んでいる。真優紀がお気に入りの滑り台を滑るところを披露しているのだけれど。

「今日、浅岡さんは仕事なんでしょう」
「うん。あの人、在宅でウェブデザイナーやってるでしょ。たま~に都内で打ち合わせとか入るんだわ。今日もあっちの都合で、土曜なのに出かけていったよ」
「今度、浅岡さんも一緒に来て。うちの駐車場、詰めれば二台置けるから」
「創も喜ぶよ。真優紀に会いたがってるから。ホント、真優紀のおじいちゃんみたいよ」
「おじいちゃんなんて、若すぎるでしょ」

でも、私たち夫婦と琴絵さんと浅岡さんカップルが真優紀といると、ものすごく若いおじいちゃんおばあちゃんに間違えられたことはあった。浅岡さんが貫禄があるからだと思う。

「私は自分で子どもがほしいと思ったことはないけど、月子が真優紀を産んでくれたから子育てに参加できた。創もだよ。月子と真優紀には感謝してるんだ。私たちに楽しい経験をさせてくれたんだもの」
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