本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する

私は慌ててバッと振り返る。

「くくくく。だめだよ亜里沙ちゃん。簡単に男の部屋に入ったら」

「騙したの!?」

「騙しただなんて、人聞き悪いなぁ」

そう言ってジリジリと近づいてくるので私は後退りする。

すると部屋の壁一面に写真が貼られていた。

私は目を大きく開け、息をするのを忘れる。

そこには、私の写真が所狭しと拡大されたものや、いつの写真かもわからないくらい昔の物まで…

「はい、これ。大事な物でしょう?」

そう言って男は、あるはずもない物を私に差し出した。

「え…なんでこれを…?」

それは私がずっと貯めていたお金が入っているアタッシュケースだった。

周りが少し焦げている。

「僕、あの火事の中君のために取ってきたんだよ? すごいだろ?」

え…

どうやって中に…
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