本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「ほら、これも、これも」

そう言って私が使っていた衣装数枚や、下着、歯ブラシなどをポイポイと出される。

ガタガタと身体が震える。

この写真といい…

この人って…

「大変だったよね。昔からずっと借金返してきて。もう大丈夫だよ。これからは僕が守ってあげるよ」

こ、怖いっ…

「やめて…」

「どうして? 僕は君のために命をかけて火の中持ってきたのに」

後退りする私をジリジリと近づき詰め寄ってくる。

「あの獅音て男。あいつ何も知らないくせに僕の亜里沙に近づきやがって…」

「し、獅音は関係ないでしょ!」

「君にはお仕置きが必要だな」

そう言って私の肩に手を伸ばしてきた。

このまま私はこの男に何をされるのかと、絶望の淵に立たされたその時、ピンポーンとインターホンが鳴った。
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