本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「嫌だー! クビは嫌だー!」

「くくく。大丈夫だから、ほら、行くぞ」

「社長は、お父様はご存知なのかな?」

話し方がもうおかしい。

「もちろん」

ぎゅーんと白目を向く亜里沙。
それすら可愛い。

「ど、どうしましょうね」

「どうもしなくていいから」

そして門の前に車をつけると自動で観音開きに開門する。
そのまま車で敷地内に入ると、玄関からメイドと執事が出てきた。

「「お帰りなさいませ。獅音坊っちゃま」」

あかん。
そうだった。
久しぶり過ぎて忘れてた。

「ただいま」

亜里沙をチラッと見れば、必死に笑いを吹き出しそうになるのを我慢している。

「獅音!」

「兄貴! 久しぶりだな! 亜里沙だよ。亜里沙、俺の兄貴の壱星(いっせい)だ」

「初めまして、山科 亜里沙と申します」

亜里沙はスッと表情を引き締め丁寧に挨拶をした。

そうだった。
この子こう見えて真面目ちゃんで、できる子ちゃんなんだった。
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