本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「夢なんかじゃない」

俺が俺でいられるのは亜里沙の前でだけだ。

こうしてなかば強引に抱いたりするのだって、甘やかしたいと思いながらも実は俺が甘えている。

亜里沙の愛に包まれてると感じるから。

俺が一ノ瀬の一族だと知らなくても、亜里沙は俺を真っ直ぐに見てくれた。

Elysiumのギタリストとしての俺にも最初は全く靡かなかったし。

病気持ち扱いまでされて。
ははは。

思い出すと笑える。

「どうして笑ってるの?」

俺を見ていた亜里沙が聞いてくる。

「ん? 出会った頃を思い出してた」

そしてキスをする。

「最初、全く俺…脈なしだったなって」

「あっ…ふっ…んっ」

「こんなふうに…抱けるなんて思ってなかったよ」

ベッドの軋む音と互いに絡み合う吐息が寝室にこだまする。

打ち付ける音と水音がどんどん大きくなっていく。
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