本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「なにを?」

『女だよ!』

まだコイツは遊びほおけてんのか?

「は? 俺もう無理よ?」

『違ぇよ馬鹿! 俺も結婚すんの!』

「え、まじ?」

『まじまじ! ちょっとslow来れる?』

slow(スロー)とは涼太の弟の仁(じん)がマスターをしている高級ホテルのBARだ。

久しく行ってねぇな。

「亜里沙に聞いてみる」

そう言って電話を切って亜里沙に連絡すると、こころよく許可が出たので仕事終わりにslowに向かった。

「おう」

「獅音くんいらっしゃい。久しぶりだね」

弟の仁が爽やかに挨拶して出迎えてくれた。

「あれ? 涼太に呼ばれたんだけど」

「ああ、今トイレ行ってるだけ。座って」

そしてカウンターに向かうと馴染みの顔がもう一人。

「なんだ純平、お前も来てたの?」

純平こと神楽純平(かぐらじゅんぺい)は、涼太と仁のいとこで、仁と同い年の俺の二個下の後輩だ。

< 215 / 307 >

この作品をシェア

pagetop