本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「そんな驚かないでよ」

「いや、ごめん。ははは。正直意外だった」

「誰かさんとは違いますから」

ギーっと強く手を握り睨む。

「痛い痛い」

痛がりながらも笑う獅音。
力を緩めれば繋いだ手をにぎにぎする。

そして何故かご機嫌で鼻歌まで歌い始めた。

「え、歌上手くない!?」

「そうか? 亜里沙、ボイトレとか受けてんの?」

「そんな、受けた事ないよ」

「それであんな歌えるの? 逆に凄くね?」

「そ、そうかな…。歌は…昔から好きだったの」

「歌手になろうとは思わなかったの?」

「そんな…思わないよ」

私は生きるために、お金を稼ぐために…
返済が終わったら…

そしてふと思う。

返済が終わったら、私どうするんだろうって。

これまでずっと縛られてきた呪縛から抜け出せたら何をしたらいいんだろう。






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