殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。
 金庫箱の中を取り出してみると本と布がコンパクトに丸めて入っていた。
 セレスティンは、丸まった布を広げてみると、ベタベタに血が付いたエプロンだった。このエプロンはメイドが付けているエプロンだ。

(どうして血が付いたエプロンがここに!? まさかカトリーヌの血?)

 だとしたら、カトリーヌを殺害する時に付いた恐れがある。慌てて脱いで、隠したとしたら、やはり犯人はアンナということになるだろう。


「おい、見てみろ!? この本は日記だ」
「えっ?」

 レンデルが声をあげて言うので、セレスティンは慌てて日記の中身を見せてもらう。
 たしかに日記だ。
 読んでいくと、毎日つけているようだったが、途中から書くのを辞めてしまっていた。パラパラとめくっていくと、ある文に目が行く。

『皇后様が言っていた。カトリーヌは噓つきだと。聖女と偽って、殿下に言い寄っただけではなく、国を自分のものにしようと企んでいる。そのためなら皇帝も殺すと』

『全部あの女のせい。殿下まで、あの女の虜になってしまうのなら、いっそう皇后様の言う通りにするべきなのだろうか?』

 まるで自分に語りかけるように、カトリーヌに対しての嫉妬がかかれていた。
 だが気になるのは、皇后の言う通りにするべきとは?

(そういえば……部屋に訪れた時に妙なことを言っていたわね?)

 セレスティンは、彼女が言っていた言葉を思い出す。

『違う。私は関係ない。あの子は聖女じゃないわ。皇帝を殺した悪魔よ』

『噓じゃないわ。だって、あの人がそう言ったもん。私のせいじゃない。私は殺してはいない』

 まるで共犯者がいたかのような発言。
 日記の内容からして、そのことを言っていたのだろう。これだと、皇后が共犯者ということになってしまう。
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