殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。
「あ、ありがとうございます」

 セレスティンは、戸惑いながらも椅子に腰を掛けた。テーブルの回りは、季節の果物を使ったタルトやサンドイッチ。クッキーやケーキなどたくさん並べてある。

「たくさん召し上がってちょうだい。今日は、あなたのために用意したのだから」

「わぁ~うれしい。ありがとうございます」

 皇后は機嫌が良さそうに、ニコニコしながら気遣ってくれるが、逆に何を企んでいるのか分からず、怖さだけが残る。
 それでも顔や態度に出したらダメだと思い、無邪気になってお礼を言う。
 子供だからとオレンジジュースを用意されたので、それを飲みながら様子を伺うが、笑顔のままで、それ以外の表情は変わらない。
 セレスティンの時は、会って早々に小言を言われてきた。むしろ日頃から機嫌が悪くで、度々セレスティンに当たり散らすぐらいだ。
 だからこそ、余計に何を言ってくるのか想像が出来ない。

「……そういえば、あなたは今、側室が住んでいる離宮でお世話になっているそうね?」

 そうしたら皇后が突然話を振ってくる。

「は、はい。そうです」

 セレスティンは慌てて返答するが、皇后は気にすることなく、ティーカップに入った紅茶を一口飲んだ。

「そう。あなたのお母様と側室が友人関係だったのよね? たしか」

「は、はい。そうですが」

「彼女の友人に、こんな可愛いお嬢さんがいるなんて知らなかったわ。一体どこの貴族のご夫人なのかしら?」

 ニコニコしているが、なかなか際どい質問を投げかけてきた。これは、疑われている可能性が高いだろう。
 なんとか誤魔化さないと、厄介なことになる。
< 60 / 141 >

この作品をシェア

pagetop