野いちご源氏物語 〇五 若紫(わかむらさき)
あれから尼君(あまぎみ)はどうなられただろうかと、源氏(げんじ)(きみ)はお手紙をお出しになった。
北山(きたやま)僧都(そうづ)からお返事が届いたわ。
「妹は先月亡くなりましてございます。死は誰にも避けられませんが、悲しいことでございました」
とある。
源氏の君は、はかない人の命というものが悲しくなってしまわれた。

それと同時に、
「尼君があれほど気になさっていた姫君(ひめぎみ)はどうしておられるだろう。一緒に北山に行かれたはずだ。幼い人だから、心細くて泣いていらっしゃるのでは」
と心配されていた。
ご自分が幼いころに母君(ははぎみ)祖母君(そぼぎみ)とお別れになったときのことを思い出して、丁寧なお見舞いのお手紙をお送りになる。
若紫(わかむらさき)(きみ)乳母(めのと)から、きちんとしたお返事が届いた。
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