冷徹ドクターは初恋相手を離さない
第9話
統合実習終了後から二ヶ月程経ち、八月となった。前期期末考査を終えた私は、大学生最後の夏休みに突入した。
その頃の私は、いよいよ最終学年として卒業に向かっていた。
まずは就職活動。
最終学年ということで実習と並行して就職活動もしていたが、看護師という職業柄、常に人手不足のため人気で倍率が高い病院以外は不合格となることはまずないとされており、難航することはなかった。
その結果、第一希望であり統合実習の実習施設であった世愛総合病院の就職試験を受験し、その後内定通知をもらい、ひとまず就職活動は無事に終了している。
次に卒業研究。
大学生という立場上、卒業するために卒業研究も行うこととなっているのだが、うちの大学ではしっかりとした研究は求められておらず、ほかの学部に比べると緩い指導をする教員がほとんどだという。私のゼミもその通りだった。
あくまでも看護師国家試験の勉強が最優先事項であり、十月下旬の卒業研究のプレゼン大会をもって全課程を終えるというスケジュールだ。
こればかりは学校によってだいぶ違うだろうから、あくまでも私の学校は、という話ではある。
そして、直哉さんとの関係性。
私は今まで他人に詳しく話さなかったような話を直哉さんには知っていてほしいと思った。
だから、正式に直哉さんと付き合って、裕太と付き合っていた頃には隠していたようなことも含めて一通り自分の事情というものを赤裸々に告白したのだ。
私が小学六年生の時に両親が離婚したこと、それで母の地元である埼玉県矢津田市に引っ越したこと、そこで中高生時代を過ごしたこと、卒業後は同じ地で高卒で採用してもらった会社の事務職をしていたこと。
裕太には教えたくなかったことも、直哉さんには知っておいてほしいと思うと自然と彼に打ち明けていた。
それはきっと、直哉さんも過去の話を包み隠さず私に教えてくれたからだろう。
直哉さんは私の話をただ聞いてくれて、最後に『話してくれてありがとう』と言ってくれて嬉しかった。私の過去の話なんてつまらないかもしれないと思いながらも話していたが、そう言ってもらえると、話して良かったと安心できたのだ。
その頃の私は、いよいよ最終学年として卒業に向かっていた。
まずは就職活動。
最終学年ということで実習と並行して就職活動もしていたが、看護師という職業柄、常に人手不足のため人気で倍率が高い病院以外は不合格となることはまずないとされており、難航することはなかった。
その結果、第一希望であり統合実習の実習施設であった世愛総合病院の就職試験を受験し、その後内定通知をもらい、ひとまず就職活動は無事に終了している。
次に卒業研究。
大学生という立場上、卒業するために卒業研究も行うこととなっているのだが、うちの大学ではしっかりとした研究は求められておらず、ほかの学部に比べると緩い指導をする教員がほとんどだという。私のゼミもその通りだった。
あくまでも看護師国家試験の勉強が最優先事項であり、十月下旬の卒業研究のプレゼン大会をもって全課程を終えるというスケジュールだ。
こればかりは学校によってだいぶ違うだろうから、あくまでも私の学校は、という話ではある。
そして、直哉さんとの関係性。
私は今まで他人に詳しく話さなかったような話を直哉さんには知っていてほしいと思った。
だから、正式に直哉さんと付き合って、裕太と付き合っていた頃には隠していたようなことも含めて一通り自分の事情というものを赤裸々に告白したのだ。
私が小学六年生の時に両親が離婚したこと、それで母の地元である埼玉県矢津田市に引っ越したこと、そこで中高生時代を過ごしたこと、卒業後は同じ地で高卒で採用してもらった会社の事務職をしていたこと。
裕太には教えたくなかったことも、直哉さんには知っておいてほしいと思うと自然と彼に打ち明けていた。
それはきっと、直哉さんも過去の話を包み隠さず私に教えてくれたからだろう。
直哉さんは私の話をただ聞いてくれて、最後に『話してくれてありがとう』と言ってくれて嬉しかった。私の過去の話なんてつまらないかもしれないと思いながらも話していたが、そう言ってもらえると、話して良かったと安心できたのだ。