向日葵の園
首筋に針を当てられた時には、
もうなんの感触も温度も感じなかった。

くちびるが乾いていくことにも。

体の奥のほうで細い細い無数の虫が這いずり回るような感覚と、
窒息してしまいそうな息苦しさ。

それだけで脳はいっぱいで、
絶望も、ましてや希望なんて
私の中にはもう何も無かった。
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