向日葵の園
綴はカバー類を洗濯機に放り込んだ後は、
軽く掃除をしてくれている。

しっかり者の綴。
良妻賢母になりそうだ、なんて言ったら
十四歳の綴はきっと怒るだろうな。

私とお姉ちゃんは一緒に食材の準備をしている。

サラダを作ったり、カレーの材料を切ったり。

「だってさ、勝手に侵入した人達がここまできちんと使うかな?」

「確かに。普通もっと荒れてるはずだよね」

「日本人の抗えない血、とか?」

「有り得る」

「ゴミとか散乱しててもおかしくないじゃん」

「元来の性質上、使わせてもらったからには…ってやつなのかも。ほら、″来た時よりもきれいに″って言うじゃん」

「それか、もしも本当は所有者が存在してて、後からなんかあった時のことを考えて証拠を残したくなかったとか!」

「有り得る!でもさぁ、憂さんも都市伝説は知ってたんだし。性格上、人を楽しませたくて放っておいてるふりをして、本当は掃除に来たりしてたのかも」

「んー。そりゃ毎日会ってるわけじゃないけど、そんな素振りなかったけどなぁ。でもそれが一番しっくり来るかも」

「でしょ。憂さんには黙っててあげようよ」

「はいはい。憂ー!そっちどう?」

「うん!いい感じだよ!」

「おっけーい!食材持ってくね」

切った野菜やお肉、調理器具を持って庭に集まった。
綴もちょうど掃除を終えて私達と合流した。

「なんだかんだ言って結構掃除のしがいがありました!」

「あはは。ごめんごめん」

やっぱり結構、放置だったのかも?
綴ママには大感謝だ。
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