向日葵の園
「この旅行が終わったらすぐ部活再開なの?」
「あぁ」
「じゃあ、あんまり疲れすぎないようにしなきゃね」
「だな。どれだけ追い込めるかにかかってるし」
「タイムはどう?いい感じなの?」
「去年の全中、二年男子100メートル走の優勝が11.02。今、最高タイムで11.08なんだよなぁ」
「相当速いじゃん!」
「優勝者がな。本気で追い込まないとヤバいかも」
「あと0.6秒なのに?」
「1秒近く差がある。結構絶望的かも」
たったほんの一瞬。
この一瞬で一年間の努力が報われないかもしれない。
一瞬で天国か地獄か決まってしまう世界。
そんな場所で都はずっと戦ってきたんだ。
「でもさ、全中に行くってだけでも私には信じられないくらい凄いことだよ。それだけでも努力は十分報われてるって思いたいよ」
「…ありがと。ちょっと元気出た」
都の大きい手のひらが
私の頭にぽんって乗せられる。
あ、罪。
ねぇ。それは本当に良くないよ、って思って、
もっと悲しくなった。
「あぁ」
「じゃあ、あんまり疲れすぎないようにしなきゃね」
「だな。どれだけ追い込めるかにかかってるし」
「タイムはどう?いい感じなの?」
「去年の全中、二年男子100メートル走の優勝が11.02。今、最高タイムで11.08なんだよなぁ」
「相当速いじゃん!」
「優勝者がな。本気で追い込まないとヤバいかも」
「あと0.6秒なのに?」
「1秒近く差がある。結構絶望的かも」
たったほんの一瞬。
この一瞬で一年間の努力が報われないかもしれない。
一瞬で天国か地獄か決まってしまう世界。
そんな場所で都はずっと戦ってきたんだ。
「でもさ、全中に行くってだけでも私には信じられないくらい凄いことだよ。それだけでも努力は十分報われてるって思いたいよ」
「…ありがと。ちょっと元気出た」
都の大きい手のひらが
私の頭にぽんって乗せられる。
あ、罪。
ねぇ。それは本当に良くないよ、って思って、
もっと悲しくなった。