向日葵の園
「じゃ。なんか気持ち落ち着いたし寝るわ。ひまも寝れそうなら早く寝ろよー」

「うん。おやすみなさい」

都に普段、「おやすみなさい」って言えることなんてない。
きっといつもこんな時間は綴と連絡取り合っているんだろうし。

だから本当は嬉しいはずなのに
それでもやっぱり都は綴の彼氏なんだって、
そばに居れば居るほど実感しちゃうんだ。

自分のベッドルームに戻って、壁付けにされているベッドの上の窓に自然と視線が行った。

見下ろす先には向日葵の園。

やっぱりちょっと不気味。
開けっぱなしにしていたカーテンを閉め切った。

綴が洗濯してくれたシーツもカバーも清潔な香りがする。

都もおんなじ香りにくるまって眠っているんだよね。

こんなに近くに居るのに
誰よりも遠い。

絶対に私のものにはなってくれない
好きな人。
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