向日葵の園
「朝練?」

「うん。ひま、おはよ」

綴も都も私のことを「ひま」って呼ぶ。
おんなじ音で。

元々は都がそう呼んでいたんだけど
一緒に過ごすうちに綴も自然とそうなった。

そうやって少しずつ全部、おんなじになっていくんだ。

都専用、だったものなんて
今はもう無い。

「こんっなクソ暑いのによくやるよね」

「綴、口悪いぞー」

「ほんとのことじゃん」

「ひま、そんなんじゃ男にモテないぞって注意してやってよ」

「モテる必要なんかないでしょ。私だよモテたいのはー」

付き合ってるくせにこういう冗談を言ってくるところ。

完全な友達認定。
その事実に笑って受け流すことにも、もう慣れた。

親友を許すことにも。
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