向日葵の園
「とッ…」

「ヒマワリちゃんも都くんも大胆過ぎない?隣に彼女が居るっていうのに。俺のこともずいぶんと噂してくれてたみたいだし。一つだけ、忠告しといてあげる」

「何を…」

憂さんは穏やかに笑った。

話している内容に似つかわしくない穏やかな笑顔が恐ろしくて堪らなかった。

「さっきも言ったけどさ、好奇心が旺盛過ぎると身を滅ぼすんだよ。人のテリトリーに踏み込み過ぎる悪い子にはお仕置きしなくちゃね」

「ゃっ……」

ぷすり、と首筋に何かの先端が突き刺さる感触。

霞む視界。

歪む、憂さんの笑顔。

意識を手放す一瞬前に、目の端で捉えた注射器と
水滴の様に張り付くオレンジ色。

「みや…………」

逃げてって願いは、
声になってはくれない。
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